setokouchanの日記

とうとう71歳になりました。今住んでいる瀬戸市について、また生まれ故郷の豊橋について思ったことを文字や写真に。日記代わりに毎日記事を書いています。観音巡りはいつのまにかやめてしまいました。

㊹言霊2

 M先生の一言。お前たち、黒人と結婚できるか?中2の社会科の授業だ。疑問も感じずに黒い人は嫌だと思った。アメリカでキング牧師が差別に反対して行動していた時代だ。社会科の地理でアメリカ合衆国の学習だ。M先生の言葉はずうっと心の中に残っている。黒人の人たちがスポーツ界で活躍する姿を見ているとあの言葉が不思議と思い出される。しかも、髪の毛が薄くなり始めていたM先生の姿まで現れる。
 3年では担任のT先生が社会科の担当だった。自分で考え、意見が言える授業だった気がする。優しい先生で、親指と人差指を撫でながら、「そおかー」と言い一緒に考えてくれた。M先生と対象的な先生だった。
 
 高校は少し自立しようと自分勝手に生きていたのであまり印象がない。大学に進学し、すぐに卒業した高校の校長が自殺したニュースが入ってきた。名古屋のA高校から転勤してきたばかりの方だった。
 70年安保の残り火がまだ自分の大学にも残っていた時だ。当時は、大学だけでなく名古屋の高校でも安保闘争の火が起こり収まった時だった。
 自分は、世の中のことは知らず大学に進学していた。亡くなられた先生は、その高校の紛争の渦中にいた方だったようだ。高校生たちが、言葉を武器にし先生たちに詰め寄っていたんだろう。その先生は自分の母校な校長として転勤してきた。顔も知らない先生だ。
 転勤先の高校が平和すぎて何も起こらないことに疑問を感じたのか、一流校から東三河の二流校に来たことがショックだったのか。理由は分からない。もう覚えている人も話す人もいないだろう。

 黒人と結婚できるかと言われた先生は、トントン拍子に出世されたようだ。反対に、中3の担任のT先生は最後まで平のまま退職され、昨年に亡くなった。自分にとって理想の人物像だった。『タバコ〜を吸いな〜があら』と歌いながら、お盆に帰ってきそうな気がする。