55年ぶりの同窓会。懐かしい顔は当時の遊びに結び付く。普通メンコと呼ばれる遊びは、豊橋では、いや自分の周りかもしれないが、パンキーと呼んでいた。上手な子は、相手のカードを取り上げる。自分は常に取り上げられる側だ。強い奴は、次から次へと無情に取り上げる。
たくさん集められたカードは油紙なる水を弾く紙に包まれて縁の下に入れられる。何百枚と貯められたパンキーが今も残っていれば、マニアにはたまらないだろう。持主は、数十万円にはなるだろう。
駄菓子屋で、5円で5枚買えた。表には、当時流行っていたマンガや映画、テレビに出てくる場面が描かれていた。時代劇の主人公が多かった。暴れん坊将軍は、一緒に遊んだ。彼は当時から負けない、勝ちっぱなしだった。一つ学年が下の彼は、その時からもう勝ち組だった。
暴れん坊将軍って同じ町内の子だと聞いたのは、自分が就職してから数年後。母親が出した名前は、近所のワンパク少年だった。
漫画では赤胴鈴之助や伊賀の影丸、テレビで隠密剣士が誰しも知っている名前だった。チャンバラごっこも流行った。自分は切られ役なのに、彼はいつも正義のヒーローなのである。彼は子供の頃から輝いていた。
最近地元に帰ってきた。今、会っても君、誰だったけとしか返ってこないかも。でもいい、自慢できる幼馴染がいただけで嬉しい。また、全国区に返り咲いて欲しい。