setokouchanの日記

とうとう71歳になりました。今住んでいる瀬戸市について、また生まれ故郷の豊橋について思ったことを文字や写真に。日記代わりに毎日記事を書いています。観音巡りはいつのまにかやめてしまいました。

96 怖かった台風

 以前にも書いたが、子供の頃の台風は、怖く、我が家は非常事態宣言下にあった。テレビのアンテナを降ろす。昔のアンテナは、四方から針金で固定していた。窓や玄関は戸板を釘で打ち付ける。当時のガラスは簡単に割れるからだ。

 当時買えるようになった懐中電灯と替えの電池、明かり採りにするロウソク、ラジオ。必ずといっていいほど停電した。そしてバケツやタライ。

 伊勢湾台風が来たときは1年生の時だ。ラジオからアナウンサーが◯◯ミリバールとか紀伊半島に上陸しましたとかさかんに叫んでいた。昔の家だから、風が強まるとよく分かる。不気味な音が響く。家の中にも風が感じられる。

 違う台風だったが、屋根の瓦が剥がれ穴があいた。皆で一箇所に集まっているすぐ上だ。雨漏りばけつーっ、タライなど闇の中で指示が飛ぶ。台風が通り過ぎようとしているときだ。台風の眼の中に入る。するとパッと風が止む。あいた屋根の穴から空が、さらに星までが見えた。15分ほどするとまた風が吹き始める。

 吹き返しの風は、もう怖くはない。吹き返しの風で山側から吹いてくるからだ。近づいてくる台風の風は海側からまともな勢いで吹く。風の向きはロウソクの炎で分かる。

 どういう訳か台風は夜中に来ることが多く、余計に怖かったんだろう。

 伊勢湾台風の次の日は快晴だった。後から知ったのだが、名古屋の南では大災害が起きていた。5000人を超える死者行方不明者があった。

 14号の動きが心配だ。