崇福寺本堂には先客(老婦人)が見えた。説明のアナウンスを真剣に聞きながらしっかりとひとつひとつ確認をしている。斎藤道三の家系図や信長親子の遺品が展示されている。説明を聞きながらうなずいていた自分は見たいものだけ見て次へと進んでしまう。あまり頭には残っていないのが現実だ。
本堂には『時は今、三密を避けていのち守れ、麒麟(きりん)現れ、皆で餡蜜(あんみつ)』の住職の言葉が貼られていた。コロナ禍に洒落っ気たっぷりの言葉だ。住職の素直な願いが込められている。
信長親子の廟でまた、先客の老婦人と会う。少し言葉をかわした。「信長のお墓って本当にここにあるのかしら?」「本能寺で燃え尽きているのでお墓ではないのでは。」と答えると、スマホで調べ始めた。「15か所以上いろいろなところにあるんですね。」と感心していた。自分はスマホでサッサと調べてしまうお年寄りに感心した。
名古屋のホテルに1週間ほど泊まり、ネットで調べながらこの地域を観光しているとのこと。昨日は常滑を一日歩き回った。瀬戸から来たと言うと「瀬戸はどこがおすすめ?」との質問に瀬戸蔵としか答えられなかった。なんと情けない。明日は、有松に行くようだ。一箇所にある程度とどまり、公共交通機関を使いながらのんびりと旅をする。見習いたい。
庭には白い椿が咲いていた。少し季節が早い気がしたが、蕾ごと落花しているので椿だろう。