キング牧師の歴史的な演説から60年たったとニュースで報道されている。自分が子供の頃アメリカでは黒人への差別が当たり前のように行われていた。今では考えられないだろうが、公衆トイレも地下鉄の車両も白人とは別だった。キング牧師の演説をきっかけに黒人差別が世界中で問題化されたのだ。
自分がまだ覚えていることがある。中学2年の社会科の授業で、ある先生が「君たち、黒い顔をした人と一緒になりたいと思う人がいるか？」言葉は違ってはいるものの、あきらかに黒人を差別するのが当たり前だという趣旨で授業されたと記憶する。世の中に対して何も感じていなかった自分が、おやっ？と思ったのがこの瞬間だった気がする。キング牧師は演説の数年後暗殺されてしまう。
モハメド・アリは黒人だがボクシングで有名人になった。アリに改名する前はカシアス・クレイだ。彼は、奴隷の名前だとして古い名前を捨てた。差別を受け育ち、喧嘩の延長線上の拳での闘いしか道がなかったのだ。スポーツ界でもまだ黒人の選手は少なかった。プロのボクシングのリング上で黒人差別と闘ってきた。
60年前というと、女性は家庭に入り子供を育て家庭を守るのが当たり前だった。戦前は参政権もなかったのだ。昨日、ジャニーズ問題で外部専門家として林真琴氏が中心となり調査、結果を発表した。やはり頭が良い。明快にこの問題の解答を出した。豊橋の時習館高校から東大に、そして検事畑を一途に進んできた。彼も現代の差別をなくすために活動しているんだろう。
時代を変えていくには、キング牧師たちのように信念を持っていないといけないんだろう。年をとっても考えることは多い。
