美味しいものをいっぱい食べ、元気をとりもどしたノア。妻や息子に命令調で「ニヤー」(エサー)とひと声、だめなときは、悲しげに「ニャ」(ネェ)。病気が嘘のように体重がもとに戻る。
悪性腫瘍を乗り越えることができた。でもノアは、美味しいものの味を覚えてしまった。カツオのかかったおかかキャットフード、大好物である。
新しい家に来て半年、今度はオシッコが出ない。何度も何度もトイレに行く。トイレの砂を前足でかく。おチンチンをなめる。
獣医さんに診てもらう。エコーで膀胱を検査。尿路結石だ。薬をもらいエサもそれ用のものに変える。再びノアの嫌がる薬。尿路結石用のチュールに薬を入れて無理矢理に飲ます。嫌がって首を振る。口に入らなかったチュールが自分にかかる。手は洗えばすむが、ズボンやシャツはそうはいかない。臭うのだ。たまらない。
普段のエサも腎臓ケア用のものにする。結構高い。かつおも塩分控えめのものに。泣こうがわめこうがそのエサに。持久戦である。
薬を続ければ効果はすぐ現れる。腎臓ケアの食事が習慣化していない時は、だめになるのも早い。そしたらまた獣医さんへ。1年はその繰り返し。今は、このエサに慣れた。この半年、獣医さんには行っていない。
可愛そうなのはそれにつきあわされるもう一匹の猫のラムだ。同じものを食べなければならない。ラムに美味しいものを出すと、待ってましたとノア登場。わがままなノアには勝てない。ラムは、今もスマートのままだ。