品野台小学校の駐車場側に作られている登り窯だ。数年前まで実際に使われていた。20年前につくられ、毎年子供の粘土作品と地域の方々の作品を、地域の若者たちの手で焼き続けてきた。薪を使って焼くので、炎の強さや流れで作品のできあがりが違う。同じものはできない。石油やガス・電気の火力ではできない作品ができた。工房巡りに合わせ火を入れてきた。窯の火を活かしピザの販売もした。
しかし、この窯は毎年手入れをしないといけない。作品ができあがるまでにとんでもない労力がいる。窯内を乾燥させるため2日間は空焼きをする。本焼きは3日間もかかる。昼夜問わず常に焼き続ける。当然徹夜覚悟。交代をしながら焼く。
当時40代の若者も今では60代だ。自分の仕事だけでも大変なのだ。コロナ禍もありついに使われなくなった。残念だが時の流れである。
品野台小学校を見たなら、この窯も見てほしい。小ぶりではあるが本物の窯だ。
瀬戸市には江戸時代末から本業窯という大きな登り窯があった。今も、一里塚町と洞町に残っている。一里塚の窯のほうが車は入りやすい。工房めぐりの帰りに寄ってみるのも面白い。