setokouchanの日記

とうとう71歳になりました。今住んでいる瀬戸市について、また生まれ故郷の豊橋について思ったことを文字や写真に。日記代わりに毎日記事を書いています。観音巡りはいつのまにかやめてしまいました。

年寄りの戯言593 豊橋の方言①けんけん

 『けんけん』とは誰も知っている片足飛びのことだ。『豊橋の方言』で吉川氏は、岡崎の言葉とは違うと書かれている。岡崎周辺では「チンギリ」とか「チンチンカモカモ」言うようだ。ちなみに「チンチンカイカイ」は、富山の方で正座の意味らしい。

 けんけんは、元々『けりけり』で京都で始まった言葉らしい。近畿地方に、やがて渥美半島を経て豊橋に伝わってきた言葉だと解説される。

 自分なんかは自動車や鉄道(最近は全く使わないが)を使っていた。すなわち陸路なのだ。陸路しか知らないのだ。自動車や鉄道がない時代、果たして交流は名古屋を経て京都や大阪に行っていたかというと、多分渥美半島伊良湖や碧南のあたりから船で渡ることが多かったんだろう。しかも、昔の庶民が一度は行きたいのがお伊勢さんや善光寺だ。自分が子供の頃も、小学校の修学旅行は伊勢志摩だった。豊橋から海路で行けば直ぐなんだが、わざわざ名古屋経由の国鉄の列車、陸路で三河湾・伊勢湾を一周した。

 昔、日間賀島篠島にはよく遊びに行った。神島も一度行った。どういうわけか、島民には伊良湖周辺に多くある同じ姓の方が多かったことを覚えている。経済圏や婚姻圏は舟で繋がっている。大名は参勤交代などでは東海道中山道を通ることが決められているが、一般庶民には都合の良い道が最優先だ。言葉や食文化などは人の流れの中で伝わっていく。

 京都の「けりけり」が渥美半島を通って「けんけん」になっていく。名古屋や岡崎より先に伝わってきた。納得!