setokouchanの日記

とうとう71歳になりました。今住んでいる瀬戸市について、また生まれ故郷の豊橋について思ったことを文字や写真に。日記代わりに毎日記事を書いています。観音巡りはいつのまにかやめてしまいました。

年寄りの戯言390 過去の水害 『十五の森』

 瀬戸の過去の水害を調べていて、瀬戸川・矢田川下流で本流の庄内川との合流点は何度も大水害が起きていた。最近では有名な東海豪雨がある。春日井の勝川の昔話に『十五の森』という悲しい話が残っている。

 昔この辺りは一帯は、庄内川の水域で湿田が多く雨期になると毎年のように堤防が決壊し、多くの被害を出していました。

 今からおよそ500年前の明応3年(1494年)のこと。出水期を迎えた村人たちが氏神の境内で相談していた時、一人の占い師が通りかかったので助けを乞うと、占い師は「水神に15歳の少女を生けにえとして捧げれば水神の怒りはおさまる」と説きました。そこで村人がくじを引いたところ、時の庄屋に当たり、親子は泣く泣くこれを承諾し、梅雨時に土手に埋められることになりました。

 少女は白木の箱に入れられ、埋められましたが、地上では娘の鳴らす鐘の音が7日7晩続いたといいます。それから水害もなくなり、平和な村になったということです。

 この跡を十五の森と呼び、村人たちは小祠を建て薬師如来を安置しました。これを江戸時代の中頃に観音寺に移し、毎年命日には供養がなされ、供養の歌・踊りも奉納されて昔をしのんでいます。また、親子地蔵が昭和44年5月に建立され、そのかたわらには、『十五の森の由来記』が石に刻まれています。春日井市郷土史から)


 庄内川の松河戸の西、愛知電機の駐車場の一画に『十五の森』の石碑が祀られている。15歳の少女が沈められた6月29日には今も供養が続けられている。