昭和50年7月4日、朝の通学途中のことだ。瀬戸は昔から山の上に小中学校がつくられていた。1つの通学班が学校の南側の階段にさしかかった途端、斜面が崩れてきた。『土砂、通学児の列を直撃 瀬戸』 とある。
幅10m、高さ5mにわたって土砂崩れがあり15立方メートルもの土砂が通学中の児童の頭上を襲った。3人の児童と付添のお母さんが土砂の下敷きになった。
大雨を心配して見回っていた教職員や現場近くの人たちが子どもたちを救助に駆けつけた。お母さんは胸まで埋まったまま「子供が、子供が」叫んだ。指差す方を見ると田んぼの中に通学路から2m下に落ち込んだ土砂の中から2本の足だけが出ていた。大急ぎで引き上げると「ふーっ!」と息を吹き返した。
大雨の中を見回っていた教職員や、通学路沿いの地域の方々の敏速な働きで大事故にはならなかったのが不幸中の幸いだ。
この日瀬戸では降り始めて朝までに80㍉、1時間に25~28㍉の強い雨だった。同日、名古屋の中川区や稲沢市、春日井市でも大きな被害があった。
近年、猛暑とかゲリラ豪雨、スーパーエルニーニョなどなど、昔では考えられない気象現象が。台風も巨大化している。7月27日大阪の枚方市で39.8℃と今年の最高気温を更新した。こんな記録は更新してほしくない。