setokouchanの日記

とうとう72歳、今住んでいる瀬戸市について、また生まれ故郷の豊橋について思ったことを文字や写真に。日記&記録として毎日記事を書いています。

過去への旅⑦ハエとの戦いだった昭和

 

 昭和32年の東海民生新聞の記事だ。ある小学校で『ハエ取り競技』なるものが行われたという。全校で25000匹ものハエを取った。目的は「ハエによる衛生環境問題を児童に考えさせるものだった。昭和30年代というのは、不衛生の時代だった。下水道が完備されていなく、トイレはどこの家もポットン便所(懐かしい名前だ)。自分が高学年になる頃、浄化槽式の水洗トイレが普及し始めた。下水道ができるのはずっと後になる。ハエはトイレ(当時は便所呼んでいた)で増える。ハエは病気を媒介する。新聞には、多くの学校で伝染病による学級閉鎖や休校したなどの記事が毎日のように出ているのに驚かされる。

 今日7月20日は瀬戸の品野では祇園祭が行われる。豊橋でも昨日から明日まで祇園祭が開催されている。京都の祇園祭も規模の違いがあるものの基本的には赤痢や疫痢などの夏に流行る病気を神の力で鎮めてもらう祭りだ。

 北名古屋市昭和日常博物館では、各家庭でハエによる感染を防ぐために、食べ物を短時間しまっておくための蠅帳(上)やハエたたきや噴霧器・殺虫剤などが展示されている。また、自分の記憶に全くない『ハエとり棒』なるものがあった。

 昭和の昔、人々はハエと戦ってきた。令和の時代になりハエはほとんど見なくなった。