一宮市博物館の企画展を見学して、常設展示もと思い、館内を歩いた。基本的に一宮市の地域の歴史をまとめている。一宮は繊維の町で有名だということは知っている。自分の知り合いも一宮に住んでいる。戦前戦後は瀬戸と同じように経済が最高になる。1ドル360円が崩れて一気に景気が悪化するところまで同じだ。
館内を歩いていてどういうわけか、思いもかけなかった顔があった。瀬戸の無形文化財の陶芸作家の鈴木八郎氏である。
自分が結婚した頃、妻の父親と親しくしていた人物が鈴木八郎氏なのだ。赤津の南の端に工房を構え、当時は豊田市の山の中に穴窯を作って、薪で陶器を焼いていた。自分も義父に何度も連れて行ってもらい、ソニーのHi8でビデオ撮影にチャレンジしていた。
40年ほど前のことだ。当時はもう80近くになっていた。こんなに若い頃の写真は初めて見た。説明文に『一宮にゆかりの深い陶芸家』とある。若い頃、藤井達吉に師事し小原村の芸術村で活動したり、全国を一緒に回ったりしたりしたことを少しは知っていた。しかし、一宮と深い関係があったのには驚かされた。
つづく